時は五代将軍綱吉のころ出版され長く存在は知られていたが実際の本が見つかっていなかった。
どうやら現存するのは1冊のようだ。
どんなことが書かれているかと思えば「笑い本」とはこういうことかと良く分かるものと思った。
前書きには張形の由来になったエピソードが書かれている。
簡単に要約すると、色好みの作蔵と言う男がいた。
妻と別れる(理由は書かれていない)にあたって、自分の一物を木造にし形見として妻に与えた。
後の人がこの木造の話が風流と思い同様のものを作蔵と呼んだ。
この話は他の本にも書かれているので広く知られていた話のなんだそうだ。
妻との別れに貞操帯を着けさせた十字軍とは大きな違いというか?女を良く理解した粋なプレゼントだよね。
貞操帯なんぞ夫が旅立ったら鍛冶やなどに行き切断してもらった様だ。
そもそも鉄で出来た貞操帯など着けていたら日常生活など出来る訳がない。
だって生理現象は・・・・
前書きの次は見開きで次の図になる。
【無断複製転載厳禁】奥への出入り業者が張形を幾つももって売り込んでいる場面なんでしょう。
武家屋敷と言うより公家屋敷の様に思うのだが・・・
右ページの商人のことば「この水牛のまだらがよいでしょう」
左のページは奥女中「これはもつとちいさい、大きいのがほしい」
張形の材料として水牛の角が使われたいた。
大きさに驚くが水牛の角はこんなに大きいかよう~~と思わず吹き出す。
これは庶民が武家や公家をおちょくった風刺だと思う。
また、そんなものをつかわなければならないのかと笑いとばす町人の顔が浮かぶ。
現存するものが少ないのは余り受けずに多く刷られなかったのか?
でも300年以上も前のものだから大火や天災で失われたものも多いだろうか?
※
日本の春画・艶本研究 石上阿希著の序論P17には
大学によっては研究書を購入すること咎められたり、蒐集家が寄贈する際、艶本や春画は対象から外された。
また、同書第五部一P276~にはアメリカ人の日記を引用し幕末の春画取り扱われ方が紹介されている。
商人のフランシス・ホールがある日彼が富家訪れた時の体験。家宝を見せてもらってから、主人が
うやうやしく引き出しから「大変貴重なものだ」良いながら3・4枚の猥褻な絵を手渡してくれた。
傍らに婦人も立っていて、春画を見せることや、絵そのもが不謹慎とは思っていない。
その様な体験は一度ではなく幕府の役人に会った時もみせられたそうだ。
要するに明治維新から近年まで猥褻図画として扱われ多くのものが失われたんどろう。
浮世絵が欧米で多数存在するのは、古紙として出されたものを積極的に買取り欧州に送られたからあそうだ。
この後のページを見ると現代の男?の発想とさほど変わらないのに驚く。
むしろ現代の人間の発想ではなくこの種の春画や伝承を知っていて、AVや週刊誌のネタになっているのかもネ!
床の置物
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