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ほれ薬

ぱらぱらと眺めていたら「ほれくすりの事」と書かれた章を見つけた。

どれどれと読んでみて爆笑してしまった。
その内容は

あかいぬの足のまたの毛をぬきてくろやきにし、又おもふ人のもとゆいをもとめて、
それにわがゐんをぬり、くろやきし、右の二色をあハせ粉にしておもふ人にふりかくれバ、
そのままほるるなり。又はいもりのつるミたるをとりて、竹のつつへ入れ、くろやきにして
ふりかくるもよし。

判らない単語の意味を推測して見ました。
 もとゆい:元結のことでは?(髪を纏めて結ぶ麻糸や組紐)
 わがゐ(ヰ)ん:何の事やらわかりません。
 いもりのつるミ:「イモリの黒焼き」はほれ薬として有名なのでイモリは判るが
         つるミが判らない。元は中国でヤモリに朱を(水銀と硫黄の化合物)与え
         飼育して、その血液を女に塗って置くと浮気をすれば消えるため「守宮のしるし」と
         呼ばれたものが伝来してイモリと取違えたらしい。
         黒焼も中国から伝来で色々な黒焼がり薬として使われていたことからイモリも黒焼に
         されたんでしょうか?
         
これは「好色旅枕」に出てきます。書かれたのは元禄八年(1695)です。

こんなもので惚れてもらえるなら作りますよ~~~
江戸庶民は大変だったんだと同情を覚えます。

江戸の男女比は2:1で極端に男が多く、「娘一人に婿八人」とも言われ、年頃の娘は
表にでるなと禁じられていたとか!男が集り過ぎたことが吉原が生れた遠因のようです。

男は過当競争に置かれていたと容易に想像がつきますから、藁をもつかむ思いで
惚れ薬にも飛びつく者も少なくなかったのでしょうね!

  

テーマ : 昔の秘技・秘薬
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九浅一深などの動き

黄素妙論の八深六浅一深之論に入る前に、医心方にある数字が何を意味しているのか整理することにした。
それは医心方に度々出てくる「xy之数」。翻訳本は「xy、(xyの)積数回」と翻訳している。
例:「九九之数」なら「九九、八十一回」といった具合。

最初は、浅深の法だと思ったので「九九の数」なら「九浅九深」が正しいのではと考えた。九浅一深の法とは書かれたていても、具体的な説明を見つけることが出来なかった。

やっと、『双梅景闇叢書(中国古典文学〈1〉) 』葉 徳輝 (編集), 伊吹 浄 (翻訳) にある玉房秘訣に、九浅一深の説明を見つけることが出来た。それによると、

・九を建てるとは浅く九回入れ休むこと。その後に1回深く入れる。この時、射精しそうになったら左手で陰嚢と肛門との中程を押さえ精液を戻す。(還精)こうして女の気を取る。

・口を相手の口に当て吐き、小さく2回吸う。この時呑み込む様に腹まで下げて息をする。これは、陰部の働きを助け、力が増すからである。このように3回反復したら浅く入れる。

・九浅一深は反復により九九、八十一となり陽数が満たされる。
 (陰陽は知らない、数は奇数が陽で、偶数が陰のようだ)

次に「弱入強出」の説明が続く。(これも時々出てくる)これは、玉莖は堅くなったまま出し、弱い内に入れる。(女に最も悦ばれと言う「ふマラ」の起源なんだろうか?)

・陰陽交接の和合する場所は琴弦(一寸[この単位は同身寸])から麦歯(二寸)、陽は(男)昆石(七寸)、陰は(女)麦歯(二寸)で乱れる。浅くして於けば気を得られ、遠く(深く)すれば気を散らす。

この後は、穀實(五寸)より深くすると病気になることが書かれいて深くするなと警告している。ここでの新たな疑問として九回浅く入れた後の休む長さ。他では呼吸の回数が書かれているがここには書かれていない。
※()内は私の理解で補足しています。

以上のことから考え、九回浅く(琴弦から麦歯に間)を突き、休憩いた後に深く(昆石)まで1回刺し抜き出す。
口と口を合わせ、(腹式呼吸)吐いて2度小さく吸う。これを3回繰り返す。これを1セットとして9回繰り返すのが九浅一深の法。

冒頭の疑問の答えは、xは x浅一深。 yは 繰り返しの回数。だと思う。
その為に、九法の1.龍翻は八浅二深と書かれているの○浅一深に当てはまらないからで、2.虎歩は五八之数など他は、このルールに寄るので、このような書き方ではないだろうか。
九法では止める目安として女が絶頂を向かえたら止めるとある。二つ目の数がセット数だと矛盾があるのか?

 龍飜 :八浅二深
 虎歩 :五八之數・・・五浅一深を八つで40回>限度は女の状態で止める
 蟬附 :六九之數・・・六浅一深を九つで54回>女が絶頂を向かえたら止める
 鳳翔 :三八之數・・・三浅一深を八つで24回>女が絶頂を向かえたら止める
 ※他は数字が出てこないので省略。

このように数字を並べる書き方は八益と七損に出て来る。これは治療法なので回数で止めると明確になっている。
ここでは、回数が限度ではないく、女を絶頂にさせるい目的なので繰り返して良いとも読める。
多少、強引だけが深く入れると「陽は昆石で乱れる」にあるように浅く入れることを勧めていることと同じになる。龍飜の八浅二深だけ続けて2回入れるのが例外なので略さないで書いているのだろう。



  

  深浅利害損益之弁 深浅利害損益    八深六浅一深 八深六浅一深之論

  
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上つき・下つきのルーツ

下つき、上つきとは良く聞くが具体的な定義を聞く納得出来る答えが返ってこない。
よく艶本に上・中・下と分類されたボボが載っている。
bobokurabe.jpg
※英泉「枕文庫」より 下の右が上品、左が下品
  ・上品:上品開ぜうぼんぼぼは小腹の形むつちりとして 両方に志々(しし=肉のことか?)あり
   ぼゞうへ(上)にあるゆへ 内によく志々ありて うごきしまりよし。
  ・下品:下品げぼんのぼゞは はらながく 一のきざのところにはいりで それより
   したにて かくべつひくし うしろにまハりてあるなり。
この上下がルーツ何だろうとは思う。上下の基準が良く理解出来ない。見た目なんだろう・・・
*引用した本は 閨房の本棚 をご参照下さい。

このネーミングは九品(仏教用語)、上・下つきは何時から?「おさめかまいじょう」なる本に
  「けつとちゃの間、二寸五分位がよく、狭きは下つき、広きは上つきなり。」
ずばり、上つきと下つきと書かれている。

書かれた時期と著者は、
  宝暦9(1759)年 きょうかま おさ
  明和7(1770)年 西京かま、子無しに、京かま、二男、久蔵が嗣ぐ。これ写す。
  文化3(1806)年 法要 京湯楼
  文化10(1813)年 京かま おさ

湯屋に代々書き伝えられた書状なので「おさ」は現代流に言えばオーナー社長。
京かまは道後温泉の湯屋、まぁソープランドと言ったところ。

上述の上つき・下つきは湯屋に入った湯女の謂わば品定めの方法。
処女で上つきの湯女は色々と教え京の都へ上京させる。
京で終われば引き取り京下りとして客を取らせた。

下つきは、時間売り商売で多くの客を取らせるが、体を壊さない様に1日5人、
又は疲れ具合を見て適宜泊まり客に就かせなど細やかな配慮をし長く働いて貰う。
上つきか下つきかで運命が変わってしまった様だ。

ところで、「けつとちゃの間、二寸五分」とはどういうことなのか?

けつは穴の字も当てられる。まぁ肛門と考えて良いのだろう。
次は「ちゃ」だ。女陰万考には「茶壺」の説明に「お茶」と「壺」に分解された説明がある。
「茶壺」古い女陰の隠語、後から派生したのが「お茶」と「壺」。何れも、女陰の隠語とある。

また、いろの辞典も同様に「お茶」として取り上げられている。
意味は女陰のこと。京や難波の遊郭が盛んな頃、当時流行していた茶道にことよせたかくし言葉が
数多く作られ、使われたそうだ。

女陰じゃ~ねぇ♪ 女性器の表に出ている部分じゃん。元は茶壺なんだから壺の意味が強いと考え
膣口なんだろう。

長さは、尺をメートルに換算する際に使われる10/33で計算するしかないだろう。
但し、尺が統一されたのは1891年制定された度量衡法が出来てからだ。この法律には二つの尺がある。
一つは上記の換算に使われる曲尺。もう一つは1.25倍の鯨尺。これが書かれた18世紀の道後で使われていた
尺の長さは見つけることが出来なかった。

他に上付きを説明されたものはないか調べた。
いろの辞典で現代の定義を次の様に書かれている。
  女性が脚を開いた時に女性器の割れ目の両脇に出来る「股間菱形」と呼ばれる菱形状の
  凹んだ部分の最もふくらんだ部分の2点を結んだ横線の、上下2cm以内に膣入口の
  中央が来るものを「中付き」とし、それより上にくるものを「上付き」、下に来るものを
  「下付き」と言う。

股間菱形とは何?凹んだ部分の最もふくらんだ部分て?

分からないけど一度自己流の解釈で図に落として見た。
uwatuki.jpg 


古い文献に空割(陰裂)の長さは三寸とあるそうだ。
写真のアングルが悪いからか?6分5の長さを入れても変だ。
体は平面ではなく3Dだから当たり前。丸みに沿って計れば「おさめかまじょう」の記述の方が解り易い。
長さも個人差があるのだから、肛門から陰裂の8割の長さが標準で長ければ「上付き」と言える。
どれだけ長ければ良いのか?答えは出ない。おさめかまじょうはあくまでも商品の選別の基準だったのだろう。

枕文庫はおさめかまじょうより新しい艶本。しかし、巻末を読むとそれまで刊行された25冊を引用したようだ。
その中に以前取り上げた黄素妙論の名前もあり江戸時代の集大成的存在ではないだろうか?

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