| 黄帝問ふて曰く。 |
| 房中に藥術を持洩って奇妙を得ることありや。 |
| 素女答へて曰く。 |
| 老ひたるを若やかしめ、弱きを强からしめ乾けるを濕ほす事。之 |
| 皆藥の効能なり、何ぞ房中に於て藥なからむや。> |
| ○綠鶯膏、心の深き女に用ふべし。 |
| 丁香三粒、山椒四粒、細辛、龍骨、海漂蛸、明礬、各々少 |
| 右六種各細末にして生密にこねて男女交合の時少 許玉門の奥 |
| に入れて深浅の法を行ふ時は陰中かゆくふくれ暖かにして津液を |
| 出して無限、深く愼む女も不レ覺聲を出し美快の姿現はすなり。 |
| ○玉琑丹門、男子の精汁を洩らさざる藥也。 |
| 龍骨一匁。詞子（炮去レ皮）二分。 |
| 縮紗二分。辰破五匁。 |
| 右四種各細末にして餅の糊にて小豆粒程に丸くし、交合以前に七八 |
| 粒溫酒にて服すれば女人三人五人に逢ふと雖も精汁洩れざるべし。 |
| ○如意丹 |
| 石楠皮、木香、山藥、蛇床子、呉藥香 |
| 右等分細末にして交合の時につばきにてねやし玉莖にとろりとり塗 |
| 玉門に指入れ深浅の法を可行。老女たりとも誠に壮女の玉門の |
| 如くなるべし。 |
| ○壮腎丹、男の衰へたる腎を補ひ氣力を增し、玉莖を强くす。 |
| 丁香、附子、良薑、桂皮、山菜萸、蛤蚧、各一匁、礬石、 |
| 水飛、硫黄各七分 |
| 右八藥各細末にして密にてねり。むくろじ程に丸め、空腹の時三 |
| 粒づつ、溫酒にて飮むべし。無妻の男は率爾に服すべからず。 |
| 〇百馬丹 、筋肉を補ひ、玉莖を長大になす良藥也 |
| 沈香、乳香、木香、免絲子、各五匁、茜香、破故芾一兩、 |
| 机、仁四十箇去皮 |
| 右八藥各細末にしてねりたる密にこねて胡桃程に丸くし空腹に一 |
| 粒宛、溫酒にて用ゆ、一ヶ月程に及ばゝ玉莖太く長くなりて一段 |
| 强くなる也 |
| ○寸陰法 、女人の心底を喜ばしめ、其の男を永く忘れざらしむ |
| 蛇床子十二匁、狗骨灰、肉佳各三匁 |
| 定粉二匁 |
| 右四種各細末にして交合の時唾にてねやし玉莖に塗りて浅深の法 |
| を行ふ時は女の男を思ふ事浅からず誠に千重万重なり |
道三の跋
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