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黄素妙論 天真論

元書は「日本珍書復刻集」前書きに「東京 日本珍書研究會」とあるだけで出版に係わる一切の情報がありません。50年以上は経過しているものだと推測しています。
さて、1ページ毎に書き始めてたら、段落の途中でページが変わってしまいます。
目次はありますが、本文には目次に該当するタイトルが振られていません。
読めば切れ目がわかりそうなので、目次に従って進めることにしまいた。

最初は「天真論」です。

   黃素妙論
雖知 苦齋道三著
むかし黄帝素女こうていそぢょふていわく。
  上古じょうこ聖人壽或者せいじんじゅあるものは千二百さいあるひは八百さいたもち、中古ちゅうこいたって
  も百二十さいたもちたるにはいよ只數たヾすう十>ねんにしてほろぶ。それのみあら
  ず、無病むびょうなるもの少く痼疾こしつ者多ものおほし。如 斯 天 壽 安 危かくのごときてんじゅあんき不 同 時ふどうじ
  はなんぞや。
素女答そぢょこたへていわく。
  夫幼少それようしょうにして病 多やまひおほく、あるひなえにして不秀ひでざるは、父ひはつにしてたね
  おろし、母 胎受ははたいう諸事しょじを、不 愼つゝしまざるゆえなり。又父母またふぼ堅固けんごにしてその
   幼 少ようしょうとき無 病むびょうなりといへども二十、三十になりてより後 漸のちやうや
  病 者びょうしゃとなり、ひわつなる其 身そのみ不 養 生ふようじょうなるいわれなり。養 生ようじゅう
  は飲食いんしょく保養ほよう男女交合だんじょこうごうたヾこの二つに極り正きわまれまさ少年壮才しょうねんそうさいとき
  血氣けっきすでに潤澤じゅんたくにして骨體こつたい誠に堅固けんこなり。斯時かゝるとき飮食いんしょくつつしみ、
  交合こうごういたさばなに病者びょうしゃあつてかせん、如何いかにしてか長生ながいき
  らん。

※著者は曲直瀬道三、号を雖知苦斎すいちくさい。道三は通称。
【注意】動作は Windows 10 IE-11で確認しています。他の環境では試していません。 (Aug.28,2018見直し)
    上手く表示出来ない場合はご容赦願います。
    なお、素女経などに付いては次の本を参考にしています。
  『醫心方〈第28巻〉房内編』 丹波 康頼 (著), 三島 泰之 (翻訳),

  『医心方〈巻28〉房内篇』 丹波 康頼 (著), 槇 佐知子 (翻訳)

  『双梅景闇叢書(中国古典文学〈1〉) 』葉 徳輝 (編集), 伊吹 浄 (翻訳)


拾い読みばかりしていて、ちゃんと読んでいないの自信がありませんが、医心方でいえば「至理しり」に当たると思います。

書き出しの千二百歳は疑問があります。
玉房指要に「黄帝が千二百人の女を御して仙人になった。凡人は一人の女でもままならず、命を落とし」といったくだりがあります。記憶を元に書いたのか?取り違えている様に思う。または、日本書紀を真似たのか?

年齢が出てきても、約百三十歳の仙人が出てくるだけのよに思う。上述の書き始めをみると、素女経の引用なら「素女曰く」で始まる。これは「玉房指要に伝う彭祖曰く」で始まってます。至理には素女経を引用している部分もあるけれど、ここは違う様に見えます。もしかすると、道三は素女妙論ではなく医心方を読んだのでは?どういったものを道三が入手したのか判らないようですが、源流は素女経などの古いものを元に書かれたことは間違いないようです

細かなことは別にし、大筋は「健康で長生きする秘訣は、正しい男女の交接と食の二つ。また、これなくしては人類が滅びて仕舞う大切なこと」と書かれているわけです。。

相違点は、道三の考えが入っているからだと思います。

  

  「黃素妙論」とは 黃素妙論      交合和違 交合和違1

  
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