48手 31.御所車
31.御所車
※無断複製禁止
本文
亭主が少し左下向きに横になり 女房は股をひろげて直角にすり寄ってうまくまらをはめこむ 十五番の菊一文字に似て居る様に思へるが 女房が起きなほって肱をつき腰をつかう所が違って又べつの味がある
解説
男が車体、女が車輪とでも言うのだろうか?回ることが出来るのなら車だよねと言えるだうろが、想像を通り越して妄想の世界か?・・・
得意なのは花車(花時計だったかも)と盛んに自慢していた輩がいた。話を聞くと茶臼で抜けない様に女体を回すのだそうだ。小柄だが漁師で鍛えたがっちりした体付きだったので、腕で持ち上げて回したのだろうか?人の自慢話など真に受けても仕方がないからどうやるかまでは聞かなかった。
車を付けるなら回るものに付けて欲しかった。考えて見ると妹背や鴛鴦はスチール写真で動画ではないから、あれやこれやと説明を付けて別の体位としている。1つの体位で最初から最後まで通すなって現実的じゃないよなぁ~♪
四十八手の本を探すと少ないのだろうか?それでも関係ありそうな安い古本を数冊手に入れた。江戸時代となるとダントツに多いのが、菱川師宣の「恋の睦言四十八手」(表)と裏ではないかと言われる「好色いと柳」は数種あるようだ。師宣が東の雄なら、西の雄は西川裕信なるのだろう。西川の四十八手はないのか探しら「浮き世いろ四十八手」が見つかった。これはどうも現代の発行元が編集したものらしい。
この本の「はじめに」を読むと四十八手として次のものが挙げられている。(後の数字は体位数らしい)
●カーマスートラ:64 ●ラテイラハスヤ:35~40 ●アナンガランガ:32 ●ジャルダン・バルフューメ:40
●素女経*:9 ●洞玄子*:30(体位と言うと26になる) ●黄素妙論:9 ●衛生秘要抄:26
●枕文庫:8 ●智恵之海:12 ●古今枕大全:8 ●衆道秘伝:6(これも挙げるのか?)・・・その他「ナシ」として挙げているもの:玉房秘訣*,色道禁秘抄,女大楽宝開など
*素女経など3つは医心方にある。
海外のものを複数が取り上げられているのに、何故か師宣の恋の睦言は入っていない。この本も師宣の真似をしている様に思えるが、挙げないのは片手落ちだと思う。
これ以外はないのかと諦めかけていた時に見つかったのが「恋相撲四十八手(歌川国虎)1824年」と「傾城買四十八手」。
前者を見つけたのは「春画で見る 江戸の性技 永井義男著」ぱらぱらと四十八手図を見ていたら四十八手が目に止まった。取り上げられている本を探すと、古い雑誌の特集記事として取り上げられているものが1つ見つかっただけ。
後者の傾城とは、仏教に淫婦・淫女とあったり、漢詩にも詠まれている。古くは白拍子も傾城と言って差し支えなようだ。傾城屋=女郎屋、遊郭は総じて傾城町のことを指す。(色道大鏡)
それに買い四十八手と付く。検索をしたら辞書にも出てくるほど有名な本だった。内容は客と遊女の手練手管を書いた本とのことなので関係なさそう。
国虎の四十八手は見つけた本では1つしか取り上げていないのでどの様なものなのかは判らない。1枚から想像するのうどうかと思うが、少なくても妹背や鴛鴦とは違い師宣に近いものの様に思う。
肉筆で書かれたものがあれば1点ものだろうから失われて仕舞ったか秘蔵されたまま日の目を見ていないのかもしれない。
ふと思うのは48手と纏まったものを作っても売れたのか?
浮世絵を見ると、本の形態ではなく1枚ものをシリーズで作られたのでは?今では浮世絵、春画、危絵などと分類するが、絵師は分けてたのか?(師宣の有名な浮世絵は「見返り美人」だし、北斎や歌麿だって春画を描いている)
また、その時々で流行り廃りもあれば、規制が掛かることもあっただろう。バラ売りした方が、作成から販売まで短時間で済み臨機応変に出来ただろう。逆に本となれば作成に時間と労力を費やし、売れなければ多大な損失を生む危険がある。そう考えるとベストセラーものは数種類が残っているから再版されている。師宣の四十八は、現存するものも少ないようなので売らなかったかも?営業的には失敗だったので続くものが出なかったのかとも想像してしまう。
江戸時代の四十八手になぜ執着するかと言えば、ルーツ探しの様なも。色々春画を見て来たら妹背や鴛鴦で取り上げている体位は殆ど江戸時代の春画で描かれていそうで新しいくもないことが判ってきた。
残るは名前のルーツとなると春画には無題も少なくない。また、題があるものでも体位の名前が付く方が珍しいと思う。明治39年に書かれた女閨訓にも幾つかの名前が出てくる。数を数えていないが江戸時代からあったものも少なくない様に思えて来た。どういった流れで妹背や鴛鴦に辿り付くのか興味から追いかけている。面白いと思うのは妹背などになく、今でも四十八として取り上げられているものの方が江戸時代に有ったものが多い様に思う。
戦前に発行されたものとなると 地下本雑考-態位集系譜考序説」 にある「百手秘戯図」の系譜がある。鴛鴦を書き始めた頃から時々探しているものの一向に見つからない。江戸時代に言われていたものが整理がされていないので比較出来ないものの、鴛鴦と妹背は殆ど同じ名前なのに、百手は違い過ぎる。ミッシングリンクはこの当たりにあるのかも知れない。
関連ページ
鴛鴦閨房秘考 31.御所車
女閨訓 色々な方法についての心得 横取
妹背閨房考-序説 序説"
菊一文字 いすか取り
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亭主が少し左下向きに横になり 女房は股をひろげて直角にすり寄ってうまくまらをはめこむ 十五番の菊一文字に似て居る様に思へるが 女房が起きなほって肱をつき腰をつかう所が違って又べつの味がある
解説
男が車体、女が車輪とでも言うのだろうか?回ることが出来るのなら車だよねと言えるだうろが、想像を通り越して妄想の世界か?・・・
得意なのは花車(花時計だったかも)と盛んに自慢していた輩がいた。話を聞くと茶臼で抜けない様に女体を回すのだそうだ。小柄だが漁師で鍛えたがっちりした体付きだったので、腕で持ち上げて回したのだろうか?人の自慢話など真に受けても仕方がないからどうやるかまでは聞かなかった。
車を付けるなら回るものに付けて欲しかった。考えて見ると妹背や鴛鴦はスチール写真で動画ではないから、あれやこれやと説明を付けて別の体位としている。1つの体位で最初から最後まで通すなって現実的じゃないよなぁ~♪
四十八手の本を探すと少ないのだろうか?それでも関係ありそうな安い古本を数冊手に入れた。江戸時代となるとダントツに多いのが、菱川師宣の「恋の睦言四十八手」(表)と裏ではないかと言われる「好色いと柳」は数種あるようだ。師宣が東の雄なら、西の雄は西川裕信なるのだろう。西川の四十八手はないのか探しら「浮き世いろ四十八手」が見つかった。これはどうも現代の発行元が編集したものらしい。
この本の「はじめに」を読むと四十八手として次のものが挙げられている。(後の数字は体位数らしい)
●カーマスートラ:64 ●ラテイラハスヤ:35~40 ●アナンガランガ:32 ●ジャルダン・バルフューメ:40
●素女経*:9 ●洞玄子*:30(体位と言うと26になる) ●黄素妙論:9 ●衛生秘要抄:26
●枕文庫:8 ●智恵之海:12 ●古今枕大全:8 ●衆道秘伝:6(これも挙げるのか?)・・・その他「ナシ」として挙げているもの:玉房秘訣*,色道禁秘抄,女大楽宝開など
*素女経など3つは医心方にある。
海外のものを複数が取り上げられているのに、何故か師宣の恋の睦言は入っていない。この本も師宣の真似をしている様に思えるが、挙げないのは片手落ちだと思う。
これ以外はないのかと諦めかけていた時に見つかったのが「恋相撲四十八手(歌川国虎)1824年」と「傾城買四十八手」。
前者を見つけたのは「春画で見る 江戸の性技 永井義男著」ぱらぱらと四十八手図を見ていたら四十八手が目に止まった。取り上げられている本を探すと、古い雑誌の特集記事として取り上げられているものが1つ見つかっただけ。
後者の傾城とは、仏教に淫婦・淫女とあったり、漢詩にも詠まれている。古くは白拍子も傾城と言って差し支えなようだ。傾城屋=女郎屋、遊郭は総じて傾城町のことを指す。(色道大鏡)
それに買い四十八手と付く。検索をしたら辞書にも出てくるほど有名な本だった。内容は客と遊女の手練手管を書いた本とのことなので関係なさそう。
国虎の四十八手は見つけた本では1つしか取り上げていないのでどの様なものなのかは判らない。1枚から想像するのうどうかと思うが、少なくても妹背や鴛鴦とは違い師宣に近いものの様に思う。
肉筆で書かれたものがあれば1点ものだろうから失われて仕舞ったか秘蔵されたまま日の目を見ていないのかもしれない。
ふと思うのは48手と纏まったものを作っても売れたのか?
浮世絵を見ると、本の形態ではなく1枚ものをシリーズで作られたのでは?今では浮世絵、春画、危絵などと分類するが、絵師は分けてたのか?(師宣の有名な浮世絵は「見返り美人」だし、北斎や歌麿だって春画を描いている)
また、その時々で流行り廃りもあれば、規制が掛かることもあっただろう。バラ売りした方が、作成から販売まで短時間で済み臨機応変に出来ただろう。逆に本となれば作成に時間と労力を費やし、売れなければ多大な損失を生む危険がある。そう考えるとベストセラーものは数種類が残っているから再版されている。師宣の四十八は、現存するものも少ないようなので売らなかったかも?営業的には失敗だったので続くものが出なかったのかとも想像してしまう。
江戸時代の四十八手になぜ執着するかと言えば、ルーツ探しの様なも。色々春画を見て来たら妹背や鴛鴦で取り上げている体位は殆ど江戸時代の春画で描かれていそうで新しいくもないことが判ってきた。
残るは名前のルーツとなると春画には無題も少なくない。また、題があるものでも体位の名前が付く方が珍しいと思う。明治39年に書かれた女閨訓にも幾つかの名前が出てくる。数を数えていないが江戸時代からあったものも少なくない様に思えて来た。どういった流れで妹背や鴛鴦に辿り付くのか興味から追いかけている。面白いと思うのは妹背などになく、今でも四十八として取り上げられているものの方が江戸時代に有ったものが多い様に思う。
戦前に発行されたものとなると 地下本雑考-態位集系譜考序説」 にある「百手秘戯図」の系譜がある。鴛鴦を書き始めた頃から時々探しているものの一向に見つからない。江戸時代に言われていたものが整理がされていないので比較出来ないものの、鴛鴦と妹背は殆ど同じ名前なのに、百手は違い過ぎる。ミッシングリンクはこの当たりにあるのかも知れない。
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