４８手　38.かげろう

38.かげろう

※無断複製禁止

本文
　　亭主と女房が全くぶっちがいになってはめるのであるが　一寸はまり方が無理だから充分に腰はつかえない　唯まらを入れてドキンドキンと脈うたせ女房の情をそそる。

解説
　　かげろうと言うと夏にアスファルト道路に揺らめくものを思い出してしまう。昔の人が感じたものはそんな強烈な日の光から出来るものなど知らなかったのか？

　　時雨の（晩秋～初冬にかけて降るにわか雨）後の光景を読んだり、姿なのか幻なのかと言った意味合いで使われていたようだ。普通の本手の形を男女の向きを反対にしたらと単純な思いつきから考えたのだろう。夢かうつつか、出来るのか？出来ないのか？かげろうの形と言ったところ。

　　やれないことはないだろうが、本文にもある通り往復運動は難しい。動かせば痛さが先で快感などあるのか？前の廓つなぎと同じく興味本位・・・男女の体の組み合わせを机上で考えたものなんでしょう。この種のものは江戸やそれ以前の春画などに出て来ない？

　　飛び飛びに本手と付くものと、正常位と（女が下男が上）呼べるものが終わりました。（微妙なものもありますが）女閨訓の「色々な方法についての心得」で欣欣は「４つで（本間、茶臼、駒掛け、横取り）尽きる。後は机上の空論で実用に叶わぬ」と切り捨てています。

「廓つなぎ」やこの「かげろう」などは机上の空論と言っても言い過ぎではないだろうし、本手を（正常位系）通して並べると違いが少しずつしかない。それは遊び心として楽しみましょう。次は茶臼に入ることにします。

　　