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女閨訓 閨中一般の心得-1

いよいよ講義の始まり~始まり~!最初は閨中一般の心得です。序では懇切丁寧に説明するとありました。なのに大雑把ではと思う向きがありましたら、心得なのです。詳しいお話は後から出て参ります。
毎度のお願いですが口語訳は、国語が大嫌いな者が書いているので誤りがあるかと思います。
誤りを指摘して頂けると助かります。解り難いのですがページ下(広告の下)へ「コメント」があります。
元本 (昭和19年)
女閨訓(全)  閨中一般の心得
現代訳
女閨訓 寝室での一般心得
 れ男女交合して一体となるの原理は、ぼこなる処を凸(でこなる物もて補うにあり。古事記の所謂いわゆる、成り成りて成り余る処を、成り成りて成り合はざる処に刺塞ぐなり。れども只単ただたん男根なんこん女陰にょいんに刺込むのみにては素より楽しみに至るものに非ず。必ず動揺摩擦して熱を生じ、其の熱男女の心肝しんかんを貫き茲に大いに精を洩し気をりて始めて快味かいみ極致きょくちに至るものなり。  男女が交わって一体となる原理は、凹んだ処へ凸>起で補うことです。古事記で言う、成り成りて成り余る処を、成り成りて成り合はざる処に刺塞ぐなり。そうは云ってもただ単にペニスをヴァギナへ挿入したしただけでは楽しみに到達するものではありません。必ず上下に揺り動かし摩擦し熱を起します。その熱が男女の心の底から突き抜けここに大いに精を洩らし気を逝って始めて快感の極致に達するものです。
 それにはもっぱら此事を楽しまん事に一心を傾け、いささかも他念あるべからず。ことに女子に於ては如何にすれば最も夫を歓び楽しむるを得るか、念々此事を想ひ廻らすべきなり。  それには、このことを楽しむ事だけに専念し、絶対に他のことなど考えてはなりません。特に女子に於いては、どうすれば最も夫が歓び楽しめるか、色々なことを想いめぐらせなさい。
 およそ男子女子をめとりて一家をなし、面もたつと他の女に心惹かるゝ所は多く閨中の楽しみに不満あるが故なり。男も年若き程こそは女の顔かおかたちの美しきのみに心を奪はるれど中年に至れば女陰にょいん1の宜しきにおもむき、閨中の 饗応 きょうおう2巧みなるに心を傾くるものなり。故に或いは美人の妻を有ち乍ら醜婦しゅうふの妾に溺れて、妻を弧閨に泣かしめ、或いは夫婦の間に子迄ありながら、家を捨て情婦のもとに走る等は皆悉く其所にてあるなり。  およそ男子は嫁を娶り独立し面目が立つと他の女に心惹かれることがあるのは多くはセックスの楽しみに不満があるからです。男も若い頃は女の顔形の美しさのみに心を奪われるが、中年になるとヴァギナの善し悪しに向かい、ベッドでの巧みなもてなしに心を奪われる。ゆえにある人は美人の妻がありながら、顔の醜い妾に溺れて、妻を一人ベッドで泣かせ、或いは子までありながら、家を捨て情婦の元へ走るなどは皆ことごとくそのところにあります。
  1. 女陰:にょいんは古い読み方。
  2. 饗応:相手の言動に逆らわずに迎合すること。酒や食事などを出してもてなすこと。
 往昔おうむかしは藤原氏の朝に各家競って女御にょうご3を進め、其の中より選ばれて皇后に冊立さくりつ4さらるゝ慣例なりき。故に各家ともに心をもっぱら閨中の巧謀に用ひて以つて玉尊の御感に叶わん事をこいねがひ、其の娘を女御にょうごに進むに先立ちて遊冶ゆうや放蕩の風流人を求め娘をして親しく閨中の秘術を学ばしめしものなりとぞ。 然らば其の巧謀とはなんぞや、詳細は後章に譲りて今其一般を説かん。  昔は藤原摂関家に各家競って天皇寝所の侍女を推薦し、その中から皇后が選ばれる慣例になっていた。そのため各家ともにもっぱら寝所での巧謀を使い天皇の心に叶うことをこい願い、その娘の推薦に先立ち、遊冶放蕩の風流人を探し求め、娘にベッドでの秘術を学ばせたものです。 それではその巧謀いうものは何か、詳細は後章に譲り、今は一般の心得を説明します。
  1. 女御:後宮に入り天皇の寝所に侍した高位の女官。
  2. 冊立:勅命により皇太子・皇后などを正式に定めること。
  3. 遊冶:遊びにふけり、着飾る者。


3分の1くらいはと意気込んで見ましたが、4分の1も終わっていないです。
江木女史もこれを書いたのは20代後半(生年月日が2つあるようなので)10代で1度結婚をし1年で死別しています。妻と花柳界の双方の体験があったからこの年齢でも書けたのでしょうか?


  
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