女閨訓 序-1
今日は最初の序の半分を書きます。
※江戸の艶道を愉しむ―性愛文化の探究 蕣露庵主人著 によると書出しは「諸君」で始るようだ。
昭和40年代前半の青春ドラマに活発な男勝りの女性が使っていたフレーズを思い出した。
今は使われない呼びかけが新鮮さを感じたので追記した。
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元本 (昭和19年) 女閨訓(全) 序 | 現代訳 女閨訓 (全文) 序 |
諸君※ | 皆さん おお昔より「女大学」を始めとして「女庭訓」、「婦徳女子の本文」など、妻としの道を教える書物はたくさんあり過ぎて数え切れないが、今まで一度もベッドマナーに付いて親切丁寧に説明した書物は見当たらない。 |
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| 例え有ったとしても、春画猥褻本のたぐいであって、真面目に寝室での夫婦間の心得を説いたものは殆ど見たことがない。 |
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| 閨房とは夫婦が仲睦まじく抱き合い、妻の情念のルツボに夫の精根を溶かしこみ、大は、子孫を残す大事業を行い、小は、実に家庭の穏やかな調和を生む微妙な根本を作る。 |
太古は此の道公明に行われ | 太古、これは公明に行われ、恥や卑しむことは微塵もなかった。 |
我が国 | 我が国かいびゃくの始め、イザナギとイザナミの2神が広い御殿に於いて、先ず男神のイザナギが声をかけ、女神のイザナミがこれに応じて寝所で交わる事は古事記に書かれていること。また、孟子も男女が寝室を共にすることは、人として行う人倫の大道と教え、どんな人でもその事を当然とし怪しむ人はいない。 |
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然るに中古に及び文物次第に盛なるに及びて風俗 | それなのに、時代が流れるに従い、書画などが多く出回り様になると風俗は悪戯に形ばかりの形式に走り、ただ抱き合うだけの醜くさゆえに、これを賎しいこと、恥じるべきのもと感じ様になり、これを口に出すことのみならず、この大道を行うことは、泥棒をすることと同じように扱われ、ひたすらに内に秘めて隠し、わずかでも人に知れることを怖がる様になった。これは大いなるあやまちだ。 |
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再び云う、夫婦相交るは人倫の大道なり。 | もう一度言います。夫婦が交わることは人倫の大道です。欲しいままに人の女を犯したり、人妻を奪おうとすることこそ恥で、隠れても行ってはなりません。我が夫と共に寝、我が妻と楽しむのに何の恐れや隠す必要があるでしょう。隠れて行おうとすると、必ず邪悪な思いが首をもたげることになります。即ち、これよりは表を謹厳端正に装うとも、夫婦生活は大いに乱れ、邪淫が返ってその芽を出し、遂に男は陰に隠れて妾を持つ。また、女もこれに従い我が夫なのに夫でない関係などを重ね漸く繁くなる。このようなことが続き今日になった。 |
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※江戸の艶道を愉しむ―性愛文化の探究 蕣露庵主人著 によると書出しは「諸君」で始るようだ。
昭和40年代前半の青春ドラマに活発な男勝りの女性が使っていたフレーズを思い出した。
今は使われない呼びかけが新鮮さを感じたので追記した。
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