愛のいとなみ

黄素妙論　深浅利害損益之辨

黄帝こうてい問とふて曰いわ

九勢せいの要術ようじゅつすでに聞てくを得えたり。陰 陽 交 合いんようこうごうに出入深浅しゅつにゅうしんせんの術じゅつ、利り

益 損 益えきそんえきそんえきの方ほうありと聞きく 願ねがはくば共ともに之これを告つげよ。

素女そじょ答こたへて曰いわく。

夫それ女おんなを美快びかいならしむこと、あながち深ふかく入いるゝにもよらず、

又また玉莖ぎょくけいの大だいなるを好このむにもあらず。或あるひはその時ときの興きょうにより、或あるひは

その女おんなの急所きゅうしょに當あたる時とき美快びかい無限むげん、其その時ときは前後ぜんごを忘却ぼうきゃくし、恥はじを忘わすれ

感かんに堪たえ兼かねて、齒はを喰くひひ占しめ身みをすくめ、尻しりを振ふり廻まわはし鼻息はないき

荒あらく眼めをふさぎ、そヾろ口くちに聲こえを出いだし、顏 赤 かおあかく 熱ねつし津 液つえき 多おほく流ながる

ゝものなり。

一寸入いるを琴弦きんげんと云ふ

二寸入いるを菱齒れうしと云ふ

三寸入いるを嬰鼠えいりと云ふ

四寸入いるを玄珠げんしゅと云ふ

五寸入いるを谷實こくじつと云ふ

六寸入いるを愈鼠ゆそと云ふ

七寸入いるを昆戸こんとと云ふ

八寸入いるを北極ほっきょくと云ふ

以上いじょう如かくの斯ごとく深浅しんせんに八名めいあり。然しかるに交合こうごうの道みち深ふかく入いるゝこと切せつに

忌いむなり。常つねに入いれば必かならず五臓ぞう破やぶる。

一に谷實こくじつに至いたらしめば必かならず肝きもを破やぶる。

二に愈鼠ゆそに常つねに至いたらしめぱ肺はいを破やぶつて心地ここち悪あしく舖力ほりょくを居附きょふして

腰こしを痛いたましむ。

三に昆戸こんこに繁しげく至いたれば必かならず脾ひを破やぶつて面おもての色黄いろきにして腰こししびれ

股またすくみ腹はら痛いたむ。

四に北極ほっきょくに至いたらしめば必かならず腎じんを破やぶり男女だんじょ共ともに病やまひを生しょうず。

又また甚はなはだきわがしく玉莖ぎょくけいを出入だしいれし速すみやかに行おこなふ事ことを嫌きらふ、周章あわて急いそぐ時とき

は必かならず氣道きどうを破やぶり、胸中きょうちゅうに諸疾しょしつを生しょうず。

医心方にこれと合致するものはない。損益ならば七損と八益がある。深浅と関係はあるのだろうが読み取れない。
黄素妙論は、ここで深さの名前を上げているけれど、九勢で出て来たのは２つだけ。医心方に同様の定義があれば理解出来たものを前後から推測するしなかった。
ただ、九勢で問題にした様に名が一致しない。その手がかりとなるものが見つかった。玉房秘訣に九浅一深の説明が見つかった。この最後に深く入れてはならないと書かれ、黃素妙論と同様に害の内容が書かれている。
それによると
　穀實＝肝を痛める～　谷實＝肝を破る～
　　龍飛勢で同じことではないかと書いたがそれを裏付けられると考える。。
　臭鼠＝肺を痛め～　　愈鼠＝肺を破る～
　　これも同様に猿搏勢で書いた裏付けられると考える。
　昆石＝脾を損ない～　昆戸＝脾を破ぶる～
　　これは鳳翔勢で書いた。同様に裏付けられると考える。

医心方の表記とここの定義名の対比をすると

　　一寸　琴弦　　琴弦　　同じ
　　二寸　菱齒　　麦歯　　古書体を解釈する際の違いと考える。（浅い意味は同じ）　　
　　三寸　嬰鼠　　嬰女　　亀頭勢で同じと書いたが根拠に乏しい
　　四寸　玄珠　　赤珠　　同上（蟬附勢で説明）
　　五寸　谷實　　穀實　　玉房秘訣の害となる臓器名と黄素妙論内容が一致する。
　　六寸　愈鼠　　臭鼠　　同上（第四和志[玄女経]に愈鼠の表現が使われている）
　　七寸　昆戸　　昆石　　同上
　　八寸　北極　　なし　　？

左は黄素妙論なので元は素女経、右は九法からの引用は玄女経、害が書かれていたのは玉房秘訣と参照するもので名が別れることが解る。困るのは「愈鼠」玄女経も引用なら九法と同じでないとならない筈だが・・・深浅の問題だけに深く読まないならないのだろう。

残るは北極。害が書かれた玉房秘訣の記述にない。そもそも８寸というと12cm、大柄な女性なら16cm。
膣の長さは膣口から子宮口まで8~10cmが東洋人の標準なんだそうだ。当然収縮性があるので伸びるが12cmはともかく16cmとなるとそこまで長いマラを持っている男も少ない筈（陰茎の平均は12cm）

寸の計算が違っていると気づいている方がいると思います。ここで計算に使っている長さは1.5cmと2.0cmです。
根拠は鍼灸にある同身寸の考え方で、1寸の求め方は、下の図を見て下さい。人差し指を折り曲げたスケッチです。
緑線は巾になっていますが実際は第1と第2関節が作るシワの両端の距離です。図が悪いのですが、右肩下がりの線が引ける距離になります。

私の手で測ると2cmになりました。男にしては小さ目の手だと思うので、女性なら2cmでも長い方ではないかと考え、長い方を2cmとしました。1.5は小柄な人でもこれくらいはあるだろうと言う想像です。
実際には何センチなるかは女性の人差し指で測る必要があります。


　　

　　九勢9.鶴交勢 　　　　 九浅一深などの動き

　　
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黄素妙論　八深六浅一深之弁

黄帝こうてい問とふて曰いわく。

八深しん六浅せん、九深しん一浅せんとは何ぞや。

素女そじょ答こたへて曰いわく。

八深しん六浅せんとは深ふかく差さし入いれて息いき八息いきを吐はき浅あさく拔ぬきあげて息いき六息いき

をつく也なり。深ふかく入いれて八度どつき浅あさく拔ぬきて六度どつくことに非あらず。

浅あさくとは琴弦きんげんより玄珠げんしゅに至いたるを云う。

深ふかくとは嬰鼠えいそより谷實こくじつに至いたを云う。

此この深浅しんせんの秘術ひじゅつを常つねに心得こころえて行おこなふべし。

甚はなはだ浅あさき時ときは女人にょにん美快びかいならず、余あまり深ふかきときは男女だんじょの爲ため毒どくとな

る事こと多おほし。

これは道三の考えなのか、原書に書かれているのかは分からない。
医心方では○浅○深と「浅」が先に来ていて、黃素妙論は「深」が先に来ている。
ここでは、深浅とは入れる深さではなく呼吸法（間の取り方）だと言っている。
今流に言えばスローセックスに通じるところがあるのだと思う。

医心方には浅深の法と言うような独立したものはない。
「九浅一深などの動き」で見た様に、深さだと言っている。間の取り方として呼吸の回数が書かれているが、１セットが終わり次に入る時に○回呼吸すると言うものが幾つかある。呼吸の回数で、間の取り方を教える書き方はある。黃素妙論はその考え方を踏襲して、九法で書かれて居ない部分を補充したのかも知れない。

後半は深さの説明をしている。すなわち、
浅くとは琴弦（一寸）から玄珠（四寸）。深くとは嬰鼠（三寸）から谷實（五寸）となっている。
九浅一深では、後段と組み合わせるて考えると、浅くは琴弦（一寸）から麦歯（二寸）深くは昆石（七寸）。
黃素妙論は琴弦（一寸）から谷實（五寸）までの間で浅い入れる徹底されている。
それに対して、琴弦（一寸）から昆石（七寸）までと、ストロークが長く深くまで入れる様になっている。

どっちが実用的なのかと考えたら九浅一深に軍配を上げたい。
浅くが言う、琴弦（一寸）から麦歯（二寸）はGスポットを意識していると思う。
深い昆石（七寸）は子宮口を意識したものだろう。

黃素妙論は浅くと深くで共通する部分深さがある。それは、嬰鼠（三寸）から玄珠（四寸）の間で、ここにはこれと言ったものが見当たらない。深くしても、谷實（五寸）では浅すぎないか思ってしまう。
深浅利害損益之弁では谷實以上深く入れると病気になるとありので矛盾はない。深く入れる害は、九浅一深でも同様の事が書かれている。深くを昆石とすると矛盾が生じる。そもそも深くを昆石と結びつける考えが間違いなのか・・・


　　

　　九浅一深などの動き 　　　　 五傷之法

　　
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黄素妙論　五傷之法

黄帝こうてい問とふて曰いわく。

男女だんじょ交合こうごうの道みちに五傷しょうの法ほうありとは何なんぞや。

素女そじょ答こたへて曰いわく。

一に玉門ぎょくもんふくれず。不うるほ潤はざる間あいだは必かならず玉莖ぎょくけいを不いれ入ずべか可らず、强しいて入いれ

る時ときは肺はいを破やぶる也なり。

二に女人にょにん淫情いんじょう已すでに動うごくと雖いえども男子だんしそれを知しらず漸やうやく女おんなの心中しんちゅうの

興きょう盡つきて時とき過すぎて交合こうごうする時ときは必かならず帶下こしけの病やまひとなる。

三に壯さかんの女おんなに白髪しらがの男おとこ相對あいたいして玉莖ぎょくけい堅かたからず、なまじいに少すこし生お

ゆると云いうて强しいて交合こうごうし精汁せいじゅうを洩もらすこと叶かなはずは、必かならず

眼めを病やみ遂ついには盲目もうもくとなる。

四には女おんなの月水未げっすいいまだ止とヾまざるに强しいて交合こうごうすれば、互たがいに腎じんを破やぶる。

五には男おとこ沈ちん醉すいして交合こうごうし女人にょにんの美快びかいなること過すぎ終あわりたるに强しい

て久ひさしく出入だしいれを行おこなふ時ときは面黄めんこうの病やまひを生しょうず。

医心方を探したが見たりません。ただ、読んだ記憶があるものがあり、ばらばらにあるのかもしれません。
そんな訳で代わりに何が書かれているか、勝手な解釈で書きます。

1.玉門が膨れず（大陰唇を言っているのか？）濡れない内に無理して入れれば肺を痛める。

2.女性が欲しいと思っているのに男が気づかずに、女性の心が冷めてしまい時を逸してから交わると帯下（こしけ）の病になる。※現代言われる帯下は症状で分類すると、血性帯下,膿性帯下,白色帯下,液状帯下がある。

3.うら若き女性に白髪頭の男が（初老を言いたいのか？）少し立った言って無理に交われば目を病み盲目となる。

4.生理が終わらない内に無理に交われば互いに腎臓を痛める。

5.男が深酔いして交わり女性が絶頂を向かえたのに止めずに長く抽送を行えば黄疸の病気になる。

1.は濡れないで入れるのはよくないよなぁと納得する。
2.はどうなんでしょう。言えているのかも知れません。する気萎えた女性とすると性交痛などの原因になるのかも知れない。
3.は個人的にはあり得ないと・・・白髪が気になるし・・・でもちゃんと立てば言い訳だよね！
4.良く言われる問題だよね。女性も好きと嫌いで２つに割れると思う。女閨訓にありましたが生理中はしてはならないと書かれてます。
5.セックスが問題となのか、深酒が問題なのか、酩酊して心拍数が上がれば腹上死の危険があると思うのですが・・・





　　

　　八深六浅一深之論 　　　　 淫情十動之候

　　
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黄素妙論　淫情十動之候

黄帝こうてい問とふて曰いわく。

女おんなの淫情いんじゅうに十動どうありとは何なんぞや。

素女そじょ答こたへて曰いわく。

一に男子だんし沈眠ちんみんするに女おんなひそかに玉莖ぎょくけいを握にぎりソロソロと動うごかし自みづから

玉門ぎょくもんをよせることあるは女人にょにん心中しんちゅうに淫念いんねん氣指きざす謂いはれなり。

二に女人にょにん男子だんしに逢あふ毎ごとに詞ことばにて戯たわむれ目めにて心こゝろを通つうずることあるは

慾情よくじょう動うごくと知しるべし。

三に女おんなの足あしの指ゆびにて玉莖ぎょくけいを挾はさみしめるは淫情いんじゅうを催もよほすと知しるべし。

四に男おとこ久ひさしく心こゝろを通かよはせて解逅かいごうに逢あふて已すでに交合こうごうする時とき女人にょにん静しづか

に静かにと云いはば男子だんし精汁せいじゅう早はやく洩もれん事ことをかねて恐おそるゝと心得こゝろえて

静しづかに浅深せんしんの法ほうを行おこなって久戦きゅうせんすべし。

五に人無ひとなく静しづかなる所ところに二人ふたり居ゐて女おんなの鼻息はないき荒あらくなり、面赤おもてあかくなる

は淫事いんじ念ねん氣指きざすと可知しるべし。

六に男女だんじょ既すでに交合こうごうせしむに女おんなの手てにて男おとこの脊せなをきびしくしめ、

下したより動揺どうようして上下じょうげ左右さいうに振舞ふりまわすは美快びかいの盛さかんと心得こゝろえ男おとこの方ほうより

も强つよく出入だしいれせよとの驗しるしなり。

七に交合こうごうの時とき女人にょにん仰向あうのきに臥がして手足てあしを差さし延のべて動うごかすと雖いえども

鼻息はないきだに少すこしく荒あらくして足あしの親指おやゆびをそらせば心底しんてい美快びかいなること

甚はなはだしと可知しるべし。

八に交合こうごうの時とき女おんな自みづか兩手りょうてにて兩足りょうあしを持もち上あげ玉門ぎょくもんを差さし上あげ玉ぎょく

莖けいの出でるを惜おしみ慕したひ、男おとこの面おもてにしかと寄よらば、女おんなは淫念いんねん甚はなはだ

動うごかして玉門ぎょくもんの奥底おくそこに玉莖ぎょくけいの至いたらんことを望のぞむと可知しるべし。

九に交合こうごうの時とき女人にょにん醉よへるが如ごとく玉莖ぎょくけい拔ぬかせず男おとこ腰こしを女おんなの兩手りょうて

足あしにてひしと締しめて自みづから縱横じゅうおうこそげ聲こえを出だして我われをも忘わすれ夢む

中ちゅうの體てとたるは、陰中いんちゅうかゆき所ところあつて玉莖ぎょくけいおのあたると知しべし。

十に交合こうごうの時とき男おとこ静しづかに浅深せんしんの法ほうを行おこなふのは次第しだいに女自らおんなみづか動揺どうようし、

すでにして、急きゅうに持もち上あげげ男おとこの腰こしを抱だき、下したより頻しきりに拔ぬき差さし

をなすは美快びかいの極きょくと心得こゝろえて玉門ぎょくもんの奥おく左右さいうに玉莖ぎょくけいをあたらしめ、

玉門ぎょくもん張はり津液つえき多おほく湧わき出いづるを待まちて静しづかに玉莖ぎょくけいを拔ぬべし。

交合和違1で五徴五欲を取り上げた時に十動が出て来たものの後にした、その十動です。
五徴五欲に続き女性の動作（しぐさ）から何を望んでいるのかを知る手がかりが書かれています。
例により、　天真論　の注意書きを参考に書きます。

1.両手で男を抱き締めるのは、体を寄せて股間を合わせたからと思うからです。
2.その両腿を伸ばす時、陰部を擦り付けてたいと思うこと。
3.腹を張る時は浅く入れて欲しい時です。
4.尻が動くのは快感だからです。
5.両脚を上げ絡めるのは、奥がむずがゆく深く入れて欲しいから。
6.両腿を閉じるようにするの、内側が感じいっているかです。
7.腰を横に振るのは、深いところの左右にこすり付けて欲しいから。
8.上体を起こす様に強く抱き付くのは、のぼり詰めて来ているからです。
9.体の仰け反るのは、快感が全身で感じているからです。
10.愛液がぬめり気が出たら、既に精が洩れているかである。

医心方はベッドシーンでの変化が書かれている。
黄素妙論は、具体的に書こうとしたのだろう。連続したものではなく、こういった時はどのうようにしろといった注意書きになっている様に思える。
例えば4.は、男が心を寄せる人に偶然出会い（解逅）交わる時、女性が静かに静かにと言うのは長くして欲しいから、浅深の法（九浅一深か？）で長く快感が味わえる様にしなさい。
と言った具合で、ベッドシーンの進み具合とは別ものになっている。
そもそも、どこまで女性が感じているのかを知る必要はないとも取れる。

黄素妙論は男側に傾注して書かれているからだろう。武将に送るのが目的で書かれたのだから仕方がないだろうが、医心方では、方法を間違うと男女双方または片方に病になると七損、八益などで書かれている。
女性の心中を知らないとならないから書かれているのだろう。

女性の場合は男より複雑で、男の勃起や射精に比べれば、他人が見てもすぐに解る変化はなかなない。例えば、乳首が大きくなっているのを見て感じているだろうと思うのは男の思い違いのようだ。
話してくれた女性は、関係ないときっぱりと否定していた。想像するに男で言えば、朝立ちの様なものなのかもしれない。無意識の内に大きくなることもあるのだろうと思う。

また、射精障害と言う言葉を目にすることがある。セックスの時に膣内では射精出来ないとから、そう言うらしい。原因は予習が（マスかきや性風俗の利用）一因だと思う。経験から言うと、初めのころは、亀頭に強い刺激を与えれば射精をしてしまう。その時に気持ちが良いか言えば驚きが先にたち気持ち良いとは思わなかった。
それが、セックスで射精した時は、のぼり詰めて行く時はやり場に困る様な変な感覚があり、射精をすると酷い脱力感があった。

女性がクリトリスで逝けても膣では逝けないは、経験を積まないと膣では感じられないことが、女閨訓に書かれていて理由に１つだと思う。クリトリスと亀頭は同じものだと言われている。両者とも神経が集中しているところなので強い刺激を与えれば、それなりの感覚が簡単に得られる。男は射精と言う形で、女性は昇り詰める感覚を覚えるのだろう。でも、これは浅い快感だと言いたい。

女性がオーガズムを向かえるには、オキシトシン・ホルモンが関係しこのホルモンの影響で膣が痙攣することが解って来た。男にも同様の脳内で作られるホルモンが有るのかは知らないが似た仕組みになって居るように思う。浅い快感と深い快感の違いはホルモン量が関与しているのではないか。

男がマスで射精するのは強い刺激にたいする反射神経の様なものなのかもしれない。弱い刺激ではその神経が働かず、時間から言えば出ない方が可笑し気持ち良くないとなり途中で止めているのだろうと。弱い刺激でも射精するのは刺激を蓄積し増幅する働きが脳にあるからだと思う。

昔良く言われたのはセックスの半分は大脳が関与している。特に女性の場合、膣には多くの神経はない。弱い信号を脳で増幅し一定水準を超えるとオキシトシン・ホルモンが分泌されるのだろう。経験が必要になるのは弱い信号を拾う作業が出来る様になるまでに時間が掛かるのだと思う。

女閨訓ではそのことに集中しないさいと書いているのはこのとこだろう。雑念、他のことを思い考えていては信号を拾い集めない。女性を集中させるにはムード作りが大切になる。その一つに女性が求めていることは察知し、求めていることをして上げることが男の大切な仕事。

十動も古い事だから使いものにならないと思うのは誤り。たかだか数千年の間に、人間の体の仕組みが変化しているわけがない。変わったのは人の知識からくる考え方。楽しむ時は楽しめは普遍の真理。他の知識は要らない。


　　

　　五傷之法 　　　　 時節善悪之弁

　　
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黄素妙論　時節善悪の弁

黄帝こうてい問とふて曰いわく。

男女だんじょ令2婚合こいごう1に時莭じせつの善惡ぜんあく交まじわる所ところの吉凶きっきょうありや。

素女そじょ答こたへて曰いわく。

天地てんち震動しんどう、大風おほかぜ、急雨きゅうう、雷電らいでん、晦みそか、朔ついたち、大寒だいかん、大暑たいしょ、日蝕にっしょく、月蝕げっしょく

庚申こうしん、甲子きのへね、立春りっしゅん、立夏りっか、立秋りっしゅう、立冬りっとう、春分はるわけ、秋分あきわけ、夏至げし、冬至とうじ、

五月がつ五日か、右みぎ此この日ひは必かならず交合こうごうすべからず、若もし誤あやって交合こうごうする時ときは

其その壽じゅをうばう。神社佛閣じんじゃぶっかく、聖賢像前せいけんぞくぜん、井いど、竈かまど、日月光下じつげつこうか、以上いじょうの

此所かしょにて交合こうごうすべからず、誤あやまって交まじはる時ときは鬼神必きじんかならずその身みに禍わざわひ

を成なす。

憂 愁ゆうしゅうに心こゝろをつくしたる時とき、忿怒ふんどに氣てを逆登ぎゃくどせしめたる時とき、久行久きゅうこうきゅう

立りつして筋力きんりょくを盡つくしたる時とき、飮酒飽食いんしゅほうしょくして脾胃ひかを苦くるしまたる時とき、諸しょ

病びょう此この頃ころ癒いえて血氣けっき未いまだ調とゝのはざる時とき、生うまれて未いまだ一ヶ月げつにも滿みたざ

る時とき、以上いじょうの如ごとく此この節せつに交合こうごうすべからず、若もし誤あやって婚合こいごうする時ときは血けつ

氣て破やぶれて筋骨乾きんこつかわき大病たいびょうとなる。深ふかく可　愼つゝしむべし、又また女おんな髪かみ黄こん色しょくに面おもての

色いろ甚はなはだ黑くろく、眉高まゆたかく肉荒にくあれて極きわめて疲つかれ、男子だんしよりも年長としたけ、産さん

して身涸みかれ、しめりなく、心こゝろ甚はなはだ猛たけく、男おとこの聲こえの斯ごとくく、腋わきの下した

臭くさく、玉門ぎょくもん乾かわき澁しぶり白滯こしけ、赤滯げつけいなどある女おんなに稀まれにも交まじはるべから

ず思おもはざる時ときに交合こうごうせしむる時ときは男子だんし實たからを損そんずる也なり。可愼つゝしむべし。

可愼つゝしむべし。

医心方 槇佐知子（翻訳）に前書きに
「本書の理念の根底は陰陽五行思想に基づき、易や道教、陰陽道、天文学などによって人の行動が規制されていた」とある。医心方にも、「第二十四　禁忌」に同様のことが書かれている。
医心方は理由別に纏められ、犯すと何が起こるかなどより詳しく書かれている。黄素妙論の方が多い様に思う。
多いところは、日本の神道や仏教の考えが入っているのだろうと想像する。

日時や場所は、このように宗教などの影響から来ているものだろうから、それら信仰する人は気をつけましょう。
これといった信仰を持っていないもだからあまり興味を引かない。

ただ、暴飲暴食をした後は避けるべきなのは納得がいくところ。
食べた後に、ジョギングをする人は殆どいないだろう。腹ごなしに走ると言う人もいるだろうが体には良いとは思えない。
昔のコントネタではないが「父ちゃんが酔っ払って帰ってきて仕込んだから、こんなろくでもねぇ息子が出来たんだ」のような話の元になるのだろう。


　　
　　淫情十動之候 　　　　 交所吉凶之弁

　　
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